福島県いわき市江名でタコとイカの加工を専門に行っているカネセン水産。旨味たっぷりのタコの他、ピリ辛タコ、ピリ辛イカなどのオリジナル商品にも定評があります。代々受け継いできた技法を守り貫く姿勢と、こだわりについて3代目坂本剛士さんにお話を伺いました。
一番のこだわりは『塩もみ』と蒸し工程
昭和45年創業のカネセン水産。坂本さんの祖父に当たる先々代が、江名漁港に水揚げされる新鮮な「常磐もの」のうち、タコやイカを専門に加工を始めました。試行錯誤の末、タコの旨味を閉じ込めながら引き出す製法にたどり着き、創業から50年余り、今でもその加工方法を大切に守り貫いています。
タコを加工する工程の中で、一番のこだわりが「塩もみ」。ドラム式のもみ機の中にタコを入れ、回転速度や時間、塩加減などを鮮度に合わせて見極め、微妙な調整をすることで歯切れのよい柔らかい食感が生まれるのだそう。その後、一気に蒸し上げることで、旨味が凝縮されたプリプリとしたタコになります。
「茹ダコが主流だと思うのですが、茹でると旨味がお湯に出てしまうんです。蒸すことで、旨味が凝縮されて、色もキレイな赤みが出るんですよ。」
原料の高騰や不漁。タコを取り巻く環境に変化
日本食ブームによりヨーロッパなど海外でタコの需要が増加。また、海水温上昇のため不漁が続き、原料が高騰、なかなか手に入らないのが現状です。「今後は、加工品なども何か変えていかなくてはいけない時期に来ているのかなという気がしています。ですが、うちのタコがいいと言ってくれるお客様のためにも、受け継いできたこだわりはこれからもしっかり守っていきたいです」。
イベントでも大好評!「蒸し蛸ねぎ塩和え」
タコのぶつ切りを自家製のねぎ塩タレで和えた「蒸し蛸ねぎ塩和え」は、イベント出店時に鉄板焼きにして提供したところ、毎回行列ができるほどの人気商品に。そのままお召し上がりいただいてもOKですが、ご家庭でもフライパンで焼いてちょっとアレンジするだけで、さらに美味しく召し上がることができるそうです。
「タコにはタウリンが豊富で疲労回復や肝臓にも良く、頭はゼラチン質で美容に良いんですよ。あまり知られていませんが、実は頭の部分が美味しいんです。特に水ダコは、肉厚でアワビを柔らかくしたみたいな甘味があります。タコ飯、唐揚げ、タコ焼き、お好み焼きなどどんな料理にしても美味しいタコの魅力や知識をもっとお客さんへ伝えていきたいです。」と坂本さん。
真心を込めて伝統の製法で作られた柔らかく旨味たっぷりのタコをぜひご賞味ください。
店舗情報
会社名 | カネセン水産 有限会社 |
住所 | 福島県いわき市江名字北口266番地 |
TEL | 0246-55-7522 |
代表者 | 坂本剛士 |
販売店
カネセン水産、ほるる売店、他