いわき市四倉町にあるワンダーファーム。トマトの収穫体験などができるこの施設のコンセプトは、「五感を耕す。食と農の体験ファーム」。広大な敷地には、地元野菜をふんだんに使ったビュッフェレストランや直売所、イベント広場など、子どもも大人も楽しめる施設が充実しています。自然豊かな環境で、「農」の楽しさ、美味しさを体感できます。
地域の人と交われる農業を目指して
「年間日照時間が長く、温暖ないわき市はトマト栽培に適しています。この土地を活かして、美味しくて安全で、食卓にいつも置いてもらえるような身近なトマトを作りたいんです」と話してくれたのは、ワンダーファームの代表を務める元木寛さん。 以前はJR東日本の技術職だったという元木さん。結婚を機に、義父のトマト農家を手伝うことになり、農業の魅力や大変さを実感するようになったそうです。
「以前はハウスの一角で直売所を行っていたんですが、わざわざ足を運んで来てくれたお客様をただ帰してしまうのは忍びないという気持ちがありました。それで、地元の方々にもっと身近に野菜を買ってもらえるような場所があればいいなと思っていたんです。そこで、色々な体験もできて、農家レストランみたいなものもあったらいいなぁなんて」。
その構想の実現に向けて動きだすきっかけとなったのは東日本大震災でした。
福島の農業に危機感。地域全体が盛り上げる場を
原発事故による風評被害。福島の農家は窮地に立たされました。後継者不足どころではなく、農家自体が減少してしまう。「このままでは福島の農業が消えてしまうのではないか…。何か方法はないだろうか」と考えていたところ、目に止まったのは耕作放棄地でした。ちょうど、農地の区画整理事業が始まるということを知り、元木さんは土地の地権者62名の元へ一軒、一軒、同意を得るために足を運んだそうです。
「なかには、反対された方もいました。代々受け継いできた田んぼを子孫へ残したいという想いもあって複雑だったと思いますが、地域の活性化のために使ってくれと賛成してくれたんです」 地域の農業を守りたいという元木さんの想いと、多くの人の協力で、ワンダーファームがオープンしました。
生食用の完熟トマトを使ったトマトジュース
オープンから3年。ワンダーファームでは、トマト狩りのほかに、ガーデンBBQ、ドッグラン、毎週のようにイベントも開催し、次々と新しい取り込みを行っています。そして、自分たちが納得できる商品作りをしたいという想いから加工場を併設。生産から加工、販売まで手掛ける『六次化産業』にも力を入れているそうです。
「トマトの加工品というと、加工用トマトを使うのが一般的ですが、うちはすべて生食用で作っています。トマト自体が美味しいから、もちろん無添加で塩を加えなくても美味しく、トマトをそのままを食べているようなジュースなんですよ」 トマトジュースが苦手という方も、ワンダーファームのトマトジュースは美味しい!と言う方が多いのだそう。自然の恵みを食べて、触れて、楽しめるワンダーファームは、これからもたくさんの笑顔を作り出してくれそうです。
店舗情報
会社名 | 株式会社ワンダーファーム |
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住所 | 福島県いわき市四倉町中島広町1 |
TEL | 0246-38-8851 |
営業時間 |
森のキッチン森のマルシェ 10:00~18:00(土日祝は9:00~)
森のキッチン 11:00~15:00(土日祝は~15:30) |
定休日 | 第2・4水曜日 |
代表者 | 元木寛 |
販売店
ワンダーファーム森のマルシェ、ほるる売店、他