いわき市常磐。城下町の名残りだという細い曲がりくねった道の先に、黒塗りの塀をめぐらせた小さな酒蔵「太平桜酒造」がある。
その歴史は古く、創業は1725年(享保10年)。江戸時代から300年近くも地元に根付き、「いわきの地酒」を作り、愛され続けています。
「こだわりというなら、地域密着、地産地消で地元で採れた米で酒を作ることですね。」と朗らかに話してくれたのは9代目大平正志さん。
福島県のオリジナル酒造好適米「夢の香」や福島県独自の酒用酵母「うつくしま夢酵母」を使用し、原材料のすべてが福島県産。そして、ほぼ9割が地元に出荷されています。
手間を惜しまず、じっくり仕込んだもろみを佐瀬式の酒槽でゆっくり丁寧に絞り、太平桜の酒が出来上がります。
「日常に溶け込むような、ほっこりと呑める酒を目指しています。」と話す大平さんの人柄そのものがお酒にも表れていそうです。
「300年の歴史の重みを感じることもありますが、引き継いできたことをやみくもに守っていったら時代に取り残されるし、時代を追い求めていってもいい結果にはならないと思います。だからこそ、お客さんの声を聞くことを一番にしていますね。」
物産展など、直接お客さんと触れ合える機会も大切にしているそう。常にお客さんのニーズに応え、寄り添う姿勢が長く愛されている秘訣なのかもしれません。
オール福島が生み出す一杯は、ほっこり芯から体を温めてくれそうです。
太平櫻酒造の太平櫻
事務所に飾ってある切り絵は、昔の酒蔵の様子を表しているそう
仕込みは12月から3月までの寒仕込み
看板犬にほっこり。温かい雰囲気の酒蔵さんでした
店舗情報
会社名 | 太平櫻酒造合資会社 |
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住所 | 福島県いわき市常磐下湯長谷町町下92 |
TEL | 0246-43-2053 |
代表者 | 大平正志 |
販売店
直営店、ほるる売店、ららみゅう、他
食材として使用している店舗
いわき湯本温泉旅館協同組合フラ女将カレー
今後の展開
地域に根差して日常で楽しめる酒を作っていきたい